「入社後ギャップ」を減らせば、内定辞退や早期離職は確実に下げられます。 その鍵がRJP(リアリスティック・ジョブ・プレビュー)。 仕事の“良い面”だけでなく“しんどい面”も映像で率直に示し、期待値をすり合わせることで、応募の質と定着率を同時に高めます。 本記事は、動画×RJPの具体的な設計・運用方法をテンプレ付きで解説します。

この記事でわかること
  • RJPの目的と効果(ミスマッチ/定着率/心理的安全性)
  • “良い面×大変な面”を両立させる動画設計と台本テンプレ
  • 撮影・編集・権利・表現のガバナンス実務
  • 応募→入社→定着までのKPI設計と90日導入ロードマップ

1. RJPとは:期待値調整でミスマッチを減らす手法

RJP(Realistic Job Preview)は、仕事の実態を良い面も大変な面も含めて正直に示す採用広報の考え方です。ポイントは次の3つ。

  1. 期待値調整:入社後のギャップを最小化し、心理的安全性を確保。
  2. 応募の質向上:惹かれる人だけを引き寄せ、ミスマッチ志望を抑制。
  3. 定着率UP:「理解して選んだ」入社は、初期離職リスクが低い。

“選ばれる企業”は、飾らない情報開示で長期的な信頼を積み上げています。

2. 動画×RJPの設計:5ブロックで“リアル”を組み立てる

ブロック内容映像の例
① 仕事の全体像1日の流れ/チーム体制/関わる人朝礼→現場→打合せ→終礼のタイムラプス
② “良い面”やりがい/成長機会/評価が見える瞬間ユーザーの感謝・成果発表・称賛の場面
③ “大変な面”体力・時間帯・精度要件・対人難度など繁忙期の様子・高精度作業・クレーム対応
④ 支援・安全網教育・OJT・メンター・ツール/制度勉強会・1on1・チェックリスト・機材
⑤ 期待する人物像とCTA向いている/向いていない/次アクション社員の一言→LP/説明会への導線

“良い面:大変な面=1:1”のバランスを意図的に設計し、ネガティブも事実ベースで淡々と扱うのがコツです。

3. 台本テンプレ:5問でRJPを再現(そのまま使用OK)

RJPインタビュー5問テンプレ
  1. この仕事の魅力は?(事実+体験で1例)
  2. 正直、大変だと感じる点は?(頻度や条件を具体的に)
  3. 大変さに対してどんな支援や仕組みがある?
  4. この仕事に向いている人/向いていない人は?
  5. 応募を考える人へ一言アドバイス(行動誘導)

※編集原則:言い換えて美化しない/数値・頻度は可能な限り明示

職種別(営業/製造/開発/コーポレート)で上記5問を回すだけで、比較可能なRJP動画セットが整備できます。

4. 撮影・編集・表現のルール:やらせを排し、品質を守る

  • 撮影:自然光/実作業の手元/歩きカットで“空気感”。NGは過度な演出。
  • 音声:ラベリア(ピン)マイク推奨。環境音は“少しだけ”残す。
  • 編集:カット間隔3〜5秒/テロップ1行12字前後/専門用語はその場で補足。
  • 権利:出演同意、施設・ロゴ・BGM許諾、映り込みの配慮(顔ぼかし)。
  • 表現:待遇・実績の数値は最新に更新。誇張やミスリード表現は不可。

5. 公開先と導線設計:応募前〜入社後まで活用

  1. 採用LP:各職種ページの冒頭にRJP動画(60秒)。下部に15秒の要約版。
  2. 会社説明会:冒頭で「大変さ→支援」の順に提示し、質疑深掘りへ。
  3. SNS(TikTok/Reels):30秒の“切り出し”で保存・回遊を誘発。
  4. 内定者フォロー:オンボード用に再視聴→不安点の事前ケア。

RJPは“応募直前”だけでなく、説明会と内定後フォローで効きます。

6. KPI設計:応募の“量”ではなく“質”と“定着”を見る

段階主要KPI(例)改善アクション例
視聴完了率≥45%/保存率≥6%冒頭ネガ→支援の順/テロップ簡素化
応募質面談通過率↑/辞退理由の“ギャップ”比率↓向き不向き明示/職種別RJPの粒度UP
定着内定辞退率↓/3ヶ月離職率↓/オンボ満足度↑内定者Q&A追加/メンター紹介動画

候補者アンケートに「大変さを理解して応募した」項目を追加し、質的効果を計測しましょう。

7. ガバナンス:レビュー体制と更新サイクル

  • 三点チェック:人事(求人要件)/現場(事実)/法務(表現・権利)。
  • 更新サイクル:半期ごとに業務変化・制度更新を反映。
  • リスク管理:機密情報・顧客情報・安全配慮に関するNG例のリスト化。

8. 90日導入ロードマップ:小さく始めて、継続で効かせる

  1. 0〜2週:対象職種を1つ選定/5問台本共有/出演者決定/許諾取得。
  2. 3〜4週:撮影1日で60秒RJP×130秒切り出し×2を収録。
  3. 5〜8週:LP掲載/説明会冒頭で放映/SNSで週1投稿。
  4. 9〜12週:完了率・辞退理由をレビュー→台本・導線を改善。

9. よくある質問(超要約)

Q. ネガティブを出すと応募が減りませんか?
A. 一時的に応募数が減っても、通過率・定着率が上がるため最終効率は改善します。

Q. 社員が話したがらない場合は?
A. 5問台本と“発言の事実確認フロー”を提案し、安心材料を提示します。

Q. どの職種から始めるべき?
A. 離職率が高い/誤解が多い職種から。改善効果が見えやすく、社内合意が進みます。

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