「知名度の低い中小企業は、大手に比べて採用で不利」——そう感じている採用担当者は少なくないでしょう。しかし、ノーテッド株式会社が実施した独自調査(2023年7月、有効回答247名)では、その前提を覆すデータが得られました。

この記事でわかること

  • 就活生が「企業の知名度」をどの程度重視しているか(調査データ付き)
  • YouTube採用CMが就活生の興味・行動に与える具体的な影響
  • 採用CMで就活生が「魅力的」と感じるコンテンツの傾向
  • 中小企業が認知度を高めるために優先すべき採用チャネル
  • 調査結果を踏まえた採用動画活用の実践ポイント
【調査概要】
調査機関: ノーテッド株式会社
調査名称: 就職活動における企業知名度と採用動画の影響に関する実態調査
調査方法: セルフ型アンケートツール「サーベロイド」によるインターネット調査
調査期間: 2023年7月3日〜7月10日
有効回答: 247名

知名度より「認知度」——就活生の意識は変わっているか?

Q1. 就職活動において企業の知名度は重要ですか?

就職活動における企業知名度の重要度に関するアンケート結果」

64.7%の就活生が「知名度」は就職先選びに直結しないと回答

「知名度が高い=応募が集まる」という前提は、すでに崩れつつあります。今回の調査では、知名度を「かなり重要」または「非常に重要」と感じている就活生は34.2%にとどまりました。一方、「全く重要ではない」または「それほど重要ではない」と回答したのは33.9%、「どちらとも言えない」が30.8%でした。

知名度を重視しない・どちらとも言えないと答えた就活生が合計で約65%を占めたことは、企業の「名前を知られている」こと以上に、「どんな会社か伝わっている」かが採用競争力を左右する時代が来ていることを示唆しています。中小企業にとっては、むしろ追い風ともいえる結果です。

就活生はどこで企業を知るのか——採用チャネルの実態

Q2. 就職先の企業をどのようにして知りましたか?(複数選択可)

就職先の企業を知ったきっかけに関するアンケート結果

オンライン・オフライン双方での接点づくりが採用の前提条件に

就活生が就職先候補の企業を知ったきっかけとして最多だったのは就職情報サイト・アプリ(38.9%)。次いで企業説明会・合同就職説明会(33.6%)学校のキャリアセンター(27.9%)SNS(24.3%)と続きます。

注目すべきはYouTubeの採用CM(15.8%)友人・知人からの紹介(15.8%)が同率だったことです。採用動画は「口コミ」と同程度の影響力を、すでにオンライン上で発揮しています。

この結果は、単一のチャネルに集中するのではなく、オンライン(求人サイト・SNS・YouTube)とオフライン(説明会・キャリアセンター)を組み合わせたマルチチャネル展開が採用認知の基本戦略となることを示しています。

YouTubeは採用動画の主戦場——視聴データが示す優先度

Q3. 普段、動画を視聴するメディアは?(複数選択可)

普段の動画視聴メディアに関するアンケート結果

YouTube視聴率64.4%——Instagram・TVを大きく引き離す

就活生が普段動画を視聴するメディアは、YouTube(64.4%)が圧倒的首位。Instagram(39.3%)TV(37.7%)Netflix・Amazon PrimeなどのネットTV(32.0%)と比較しても、約25ポイント以上の差がついています。

採用動画を制作しても、就活生の目に触れなければ意味がありません。リーチ効率の観点からも、YouTubeを採用動画の主要配信先とする判断は合理的です。

Q4. 就活中にYouTubeで企業名を検索したことがありますか?

就活中のYouTube企業名検索に関するアンケート結果

就活生の38.5%がYouTubeで企業名を検索——動画不在は「機会損失」

就活中にYouTubeで企業名を検索した経験があると答えた就活生は38.5%。約4割の就活生が、選考を検討する企業の動画をYouTubeで能動的に探している計算です。

この層に対して自社の採用動画が存在しない場合、競合他社の動画が検索結果に表示されるリスクがあります。YouTube上での自社コンテンツの有無が、選考候補に残れるかどうかを左右する局面が生まれています。

採用CMは「未知の企業」を選択肢に変える力があるか

Q5. 採用CMを観たことで未知の企業を選択肢に加えますか?

採用CMが未知企業の選択肢化に与える影響に関するアンケート結果

40.9%が「知らなかった企業でも採用CMを機に候補に加える」と回答

「採用CMを観て、それまで知らなかった企業を就職先候補として検討するようになった」と答えた就活生は40.9%。10人中4人が、動画との接触をきっかけに新たな企業を視野に入れるということです。

残り59.1%が「すぐに選択肢とはならない」と答えていますが、採用CMは「即時応募」だけを目標にする必要はありません。認知→興味→検索→エントリーという採用ファネルの入口として機能すると捉えれば、中長期的な採用母集団の拡大に有効な施策といえます。

Q6. YouTubeに流れる採用CMを観て、興味度はアップしますか?

YouTube採用CM視聴後の企業への興味度変化に関するアンケート結果

42.5%が「YouTube採用CMで企業への興味が高まった」——広告としての効果も実証

YouTubeで採用CMを視聴した後に「企業への興味度が上がった」と回答した就活生は42.5%。これは本調査の中でも特に注目すべき数値です。

「即座に興味が上がるわけではない」と答えた57.5%についても、動画で存在を認知した後に企業サイトを訪問するなど、間接的な行動変容を引き起こす可能性があります。採用動画はクリックや応募という直接的な成果だけでなく、ブランド認知の積み上げという側面でも機能することをこのデータは示しています。

どんな採用CMが就活生に刺さるのか——コンテンツ設計の指針

Q7. 採用CMに出演する社員が魅力的だと企業への興味が高まりますか?

採用CM出演者の魅力と企業興味度の関係に関するアンケート結果

社員の魅力だけでは不十分——企業全体の多面的な情報が求められる

「CMに出ている社員が魅力的に見えると企業への興味が高まる」と答えた就活生は45.7%。一方で54.3%は「そう感じない」と回答しています。

この結果は、出演者の「見た目の魅力」だけをアピールしても半数以上には響かないことを意味します。就活生は企業のビジョン・働く環境・社風・成長機会といった多面的な情報を組み合わせて企業を評価しており、特定の人物にフォーカスしすぎたCMは訴求力が限られる可能性があります。

Q8. 採用CMで特に魅力的に感じるポイントは何ですか?

採用CMで魅力的に感じるポイントに関するアンケート結果

「ビジョン・ミッション(37.7%)」「職場環境(36.0%)」が最重要コンテンツ

採用CMで就活生が魅力的と感じるポイントの上位は、「企業のビジョン・ミッション(37.7%)」と「企業の環境(36.0%)」でした。次いで「働いている社員の出演(32.4%)」「企業の代表の出演(20.2%)」が続きます。

就活初期の段階では、多数の企業を短時間で比較する必要があるため、企業全体の方向性や働く環境を短く・わかりやすく伝えるコンテンツが最も機能します。採用動画の企画段階では、「この会社は何を目指しているのか」「どんな環境で働けるのか」を冒頭30秒以内に示す設計を意識することが重要です。

Q9. もっとも興味を持つ企業CMのタイプは何ですか?

興味を持つ採用CMのタイプに関するアンケート結果

「純粋に情報を伝えるCM(30.0%)」が最多——過度な演出は逆効果になりうる

就活生がもっとも興味を持つCMのタイプは「純粋に情報を伝えるCM(30.0%)」が首位。次いで「面白い・ユーモラスなCM(21.9%)」「感動的なストーリーのCM(13.4%)」「アニメーションを使用したCM(13.0%)」「芸能人が出演するCM(10.1%)」と続きます。

注目すべきは、制作コストが最も高くなりがちな「芸能人出演」が最下位であること。コストをかけたキャスティングより、情報の質と明確さのほうが就活生には響くことがわかります。中小企業が大手と同じ予算を用意できなくても、内容の充実で十分に戦えることを示す結果です。

合同説明会での立ち寄り行動——企業認知が現場でも差をつける

Q10. 合同説明会などでブースに立ち寄るきっかけは何ですか?(複数選択可)

合同説明会のブースへ立ち寄るきっかけに関するアンケート結果

「知っている社名(34.4%)」が首位——事前認知が説明会での接触率を高める

合同説明会でブースに立ち寄るきっかけとして最多だったのは「知っている社名だった(34.4%)」。次いで「人が多く集まっていた(29.1%)」「パンフレットが魅力的だった(27.9%)」「社員に声をかけられた(24.7%)」「サイネージ(動画)を見た(19.4%)」が続きます。

この結果は、オンラインでの採用動画・広告による事前認知が、オフラインの説明会での接触率を直接高めることを示しています。YouTube採用CMやSNS動画で名前を知っておいてもらうことが、説明会ブースへの立ち寄りにつながるという、オンラインとオフラインを連動させた採用戦略の重要性が浮かび上がります。

まとめ:調査結果が示す中小企業の採用動画戦略

今回のノーテッド独自調査(n=247)から得られた主な示唆を整理します。

  • 知名度の高さは必須ではない:就活生の約65%が「知名度は就職先選びに直結しない」と回答。中小企業でも戦略次第で採用競争力を高められる
  • YouTubeは採用動画の主要配信先:視聴率64.4%でダントツ首位。就活生の38.5%がYouTubeで企業名を能動的に検索しており、動画コンテンツの不在は機会損失になりうる
  • 採用CMは認知→興味→検討の起点になる:42.5%が「YouTube採用CMで興味が高まった」、40.9%が「未知企業でも採用CMを機に候補に加える」と回答
  • コンテンツの核はビジョン・ミッションと職場環境:就活生が採用CMに求める情報の上位2位。過度な演出より情報の明確さが優先される
  • オンライン認知がオフライン行動に波及する:合同説明会でのブース立ち寄りの最大の動機は「知っている社名」。採用動画による事前認知が説明会効果を高める

採用動画の制作・活用を検討している企業の方は、まず「自社のビジョン・ミッションと職場環境を30〜60秒でどう伝えるか」を起点に企画を考えることをお勧めします。大規模な制作予算がなくても、内容の質と配信戦略の組み合わせで十分な効果を生み出せることを、今回の調査データは示しています。

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