「求人を出しても応募が集まらない」「内定辞退が続く」――そうした課題の背景には、自社の魅力が求職者に伝わっていないことが多くあります。採用コンテンツを見直す際、よく議論になるのがUGC(User Generated Content=従業員・ユーザーが生成するコンテンツ)とPGC(Professional Generated Content=専門家・企業が制作するコンテンツ)の使い分けです。
この記事でわかること
- UGC・PGCそれぞれの定義と採用活動における役割
- UGCが効果的な採用シーン・PGCが効果的な採用シーン
- 新卒・中途採用別のコンテンツ使い分け方針
- UGCとPGCを組み合わせて採用ブランディングを強化する方法
UGCとは?採用活動における「生の声」の力

UGC(User Generated Content)とは、企業や専門家ではなく、従業員・インターン生・元社員などが自発的に作成・共有するコンテンツです。採用文脈では、社員のSNS投稿・口コミサイトへの書き込み・社員ブログ・社員が撮影した職場動画などが代表例です。
UGCの主な特徴
① 真実性・共感を生みやすい
企業が発信する公式情報より、実際に働く社員の言葉は求職者に「リアル」と受け取られやすい傾向があります。職場の雰囲気や人間関係など、採用ページでは伝わりにくい情報を補完できます。ただし個人の主観に基づくため、内容のばらつきはある程度避けられません。
② 制作コストを抑えられる
社員が自発的に発信するコンテンツは、企業側の映像制作費や広告費をかけずに情報発信できる点がメリットです。ただし、ガイドラインの整備や発信内容の確認など、運用面のコストは別途必要です。
③ SNSでの拡散効果
リアルな内容は共感を呼びやすく、SNS上でシェアされやすい傾向があります。一方で、企業にとってネガティブな内容が拡散するリスクも伴います。UGCを促進する際は、社内ガイドラインを事前に整備し、適切な範囲での発信を奨励することが重要です。
採用活動でのUGC活用例:インターン生・新卒社員のSNS投稿(業務・企業文化の紹介)、社員ブログ、口コミサイトへの投稿、社員が撮影したオフィス紹介動画など。
PGCとは?採用活動における「信頼性」の力

PGC(Professional Generated Content)とは、企業または外部の専門家・制作会社が企画・制作・編集するコンテンツです。採用活動では、プロが制作した採用動画・会社紹介動画・代表メッセージ動画・求人ページのコピーなどが代表例です。
PGCの主な特徴
① 品質と統一感
映像・音響・編集のクオリティが担保され、採用ブランドとして一貫したトーン&マナーを維持できます。企業のブランドガイドラインに沿って制作されるため、採用広告・採用サイト・SNS広告など複数チャネルで同一のブランドイメージを打ち出せます。
② 正確な情報発信
企業が責任を持って発信するため、事業内容・採用方針・ビジョンなど正確性が求められる情報を伝えるのに適しています。誤情報や誤解を防ぎ、入社後のミスマッチ低減にも貢献します。
③ ストーリーテリングによる訴求力
プロの企画・構成力により、単なる会社紹介にとどまらず「この会社で働きたい」という動機づけにつながるストーリーを作れます。採用動画では特に、視聴者の感情に働きかける構成が重要です。
採用活動でのPGC活用例:プロ制作の採用動画・会社紹介動画・代表インタビュー動画、採用特設サイト、採用パンフレット、合同説明会用映像など。
UGCとPGC、どちらをどのシーンで使うべきか

UGCが効果的な採用シーン
- 職場の雰囲気・社員の人柄など「空気感」を伝えたいとき
- SNSでの認知拡大・口コミによる採用ブランドの広がりを狙うとき
- 求職者が「実際に働いている人の本音」を求めているとき(特に新卒採用の企業文化訴求)
PGCが効果的な採用シーン
- 企業のビジョン・事業戦略・採用方針を正確かつ魅力的に伝えたいとき
- 採用サイトや合同説明会などファーストインプレッションを作る場面
- 企業ブランドを統一感を持って打ち出す採用ブランディングの核を作るとき
- 中途採用など、職種・事業の詳細情報を求める求職者層へのアプローチ
新卒・中途採用別:コンテンツ使い分けの考え方
新卒採用:UGCで「共感」をつくり、PGCで「安心」を届ける
就職活動中の学生は、職場の人間関係や社風を重視する傾向があります。インターン生や若手社員のSNS投稿・ブログなどUGCで企業文化のリアルを伝えつつ、公式採用動画(PGC)でビジョンや研修制度などを丁寧に説明する構成が有効です。
中途採用:PGCで「事業の解像度」を上げ、UGCで「入社後イメージ」を補完する
即戦力を求める中途採用では、事業内容・成長環境・経営方針への関心が高まります。代表インタビューや事業紹介動画(PGC)で事業の解像度を上げ、現役社員のブログや口コミ(UGC)で入社後の働き方をリアルに補完するアプローチが効果的です。
UGCとPGCを組み合わせて採用ブランディングを強化する
UGCとPGCは対立するものではなく、相互補完する関係として設計することが重要です。例えば:
- 採用サイトにプロ制作の会社紹介動画(PGC)を掲載しつつ、「社員の声」コーナーに社員ブログや動画(UGC)を組み込む
- SNS広告にはPGCの洗練されたクリエイティブを使い、SNS公式アカウントでは社員の日常投稿(UGC)で温度感を演出する
- 説明会ではPGCの動画で企業概要を伝え、質疑応答では現場社員が直接語る(UGC的要素)を組み合わせる
採用ブランディングにおいて、PGCは「企業が何者か」を伝える基盤となり、UGCは「本当にそうなのか」という求職者の疑問に応える検証材料となります。両者のバランスを意識して設計することで、求職者の信頼と共感を同時に獲得できます。
まとめ:UGCとPGCの使い分けポイント
| UGC | PGC | |
|---|---|---|
| 作り手 | 従業員・社員・インターン生 | 企業・制作会社・専門家 |
| 強み | リアルさ・共感・信頼性 | 品質・統一感・正確性 |
| 弱み | 品質のばらつき・管理コスト | 制作費用・リアル感の不足 |
| 主な用途 | 社風・文化の伝達、SNS拡散 | ブランド構築、公式チャネル |
| 適した採用層 | 新卒・カルチャー重視の層 | 中途・意思決定前の層 |
UGCとPGCはどちらか一方を選ぶものではありません。それぞれの特性を理解し、採用フェーズや対象となる求職者層に応じて組み合わせることで、採用ブランディングの効果を最大化できます。
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